父の最後の誕生日

今日、３月１０日は、父の誕生日だ。
そして、去年の３月１０日は、父の「最後の誕生日」だった。

父は肺癌で、どんどん弱っていたから、母と二人で「来年の誕生日はきっとないよ・・・」と言い、弟の家族も一緒に盛大に祝った。

毎年、誕生日だからといって大したことをしていなかったから、父が「今年は、変だな〜」と言い出すんじゃないか・・・とヒヤヒヤしながら私たちは準備をした。

食事の最中、父はとても嬉しそうな顔をしながらも、やっぱり、「今年はどうしたんだ〜」といいだした。私は、「毎年盛大にやっているのに、お父さん忘れたの？いやだわー。」と苦し紛れの返事をした・・・。すると、父は、意外にも「そうか・・・」と笑っただけだった。

夕飯を食べた後は、みんなで写真を撮った。
悲しい気持ちを吹き飛ばすように、みんなで笑っている写真が撮れた。

結局父は、その後すぐに入院して、４月２４日に亡くなった。

ついこの前のような気がして、あれから１年経ったかと思うと不思議な気がする。

あの「お誕生日会」は、やってよかった。少しずつお別れの儀式をすることが出来て、幸せだったな・・・と思っている。

写真は、会社の近くのお家でみつけたワンちゃん。まだ子犬でコロコロしていて、かわいかった。嬉しくて、「ワンワン」って叫んでます。父は、こういった「犬コロ」が大好きな人でした。

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